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京都西陣 手織ミュージアム 織成舘 訪問

2022/09/06

読者のみなさん。

 今月は、京都の西陣織を代表する企業 株式会社「渡文」の色彩豊かな世界に皆さんをご案内いたします。まずは、京都西陣にある昭和11年築の京町家「織成舘」からスタートしましょう。

 この建物は、かつて株式会社渡文の創業者の「店舗 兼 住まい」として使用されていましたが、1989年に手織り技術振興財団・博物館として改修され、一般公開されています。

 1階正面では、太い梁のある高い天井と、窓や裏庭から差し込むきらめく光に、思わず心が動かされます。かつての土間、厨房のあった空間は、アンティークな着物(能装束)の展示場として生まれ変わりました。

 2階には、財団が収集した全国各地のビンテージ物の着物や浴衣、機織り道具などが並んでいます。 季節ごとに展示する織物を変えているそうなので、常に新しいものがあるのも嬉しいですよね。

 私たちが訪れたのは8月末なので、どの作品も軽やかで、それぞれの産地の夏の着物文化を代表するようなものばかりでした。

 そして、それらを身にまとい、後世に残すために大切に保管していた人々の日常生活に思いを馳せることができる非常に貴重な空間を醸し出しています。

 展示されている帯のデザインは一見、とても現代風に見えますが、この織物がヴィンテージ物であることには本当に驚かされます。どれも身につけると、とても細かいところまでこだわった作品と言えます。

 さて次週は、いよいよ株式会社渡文の工場・工房での機織り体験に挑戦します。どうぞお楽しみに!

京都西陣織の文化を知るために「織成舘」見学コースをご希望の場合は以下から予約をお願いします。

 👉 織成舘

文・写真提供:ブルカヴェツ・アナスタシア (ArigatoCreative.co/jp)

編集・日本語翻訳 : 京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕