ブログ

京銘竹・京竹工芸職人一筋 横山裕樹さんインタビュー

2023/03/14

 あなたの経歴について少しお話しください。人生ではどのようなことに影響されて今のお仕事を選択されたのでしょうか?

 1979年(昭和54年)に銘竹問屋を営む家に生まれ、小学生の頃から祖父に将来は家業を継承するようにと言われ育ってきました。23歳から社会人として東京の不動産会社に勤めておりましたが26歳になった時に祖父から連絡があり京都へ帰り家業を継承する事を決めました。

 これまでの職人としての歩みの中で、最もご苦労されたことはどのような事でしたでしょうか?

 時間の使い方です。家業を継承するという事は職人として腕を磨くだけではなく営業や経営、その他の雑務等、覚える事がたくさんありました。他の職人より毎日長く働き、様々な事を効率よく覚えるのに非常に苦労しました。

 ご自身のお仕事のどんなところがお好きですか? 

 竹垣等の現場施工の仕事でお客様の喜んでおられる姿を直接拝見できるところです。また海外の展示会等に行き京都の美しい竹を見て驚かれている外国人の方々の反応を見るのも非常に好きなシーンの一つです。

 創作活動でのインスピレーション・発想の源はどのようなものですか?

 発想の源は24時間、素材(竹)の事を常に頭の片隅に置いておくことです。頭の片隅に常に置いとくことにより日常の何気ないシーンで急に新しい創作物が頭の中で産まれたりします。

 ここ数年の出来事は、あなたの仕事や業界にどのような影響を及ぼしましたか?

 ここ数年は特にコロナにより観光客が減ったので我々の業界は大きな打撃を被りました。そんな中、私個人では良い機会だと前向きにとらえこれまでの自信と経験をもとに、歩んできた道を振り返り、悪い部分を反省しブラッシュアップを行いました。またコロナ後の再出発に向けて新しい技術を得たり新しい商品をいくつも考えだしました。

 今後2・3年の計画・目標について教えてください。実現されたいことを差し支えなければご教示ください

 まずは会社の状況をコロナ前の様に戻す事を念頭に、次にコロナ中は活動していなかった海外への展開を再開したいと思っています。最近では円安により更に日本の物作りは海外に進出する必要があると感じております。

 工芸品やデザインを愛する方に、自分の作品や製品をお勧めする理由をお聞かせください。人々の生活にどのような好影響を与えることができるのでしょうか?

 我々が扱う竹と言う素材は現代では非常にサスティナブルな素材として世界中から注視されている素材の一つです。その竹を使い我々はこれまで日本人の心を豊かにしてきました。これからはその経験や培った技術を用いて竹の可能性を追求し日本人だけではなく世界中の人々の心を豊かに出来る製品を提供できると信じています。

 工房訪問後に、京銘竹の生産工程・京竹工芸品など、更に深く知りたいとお考えの方はこちらから工房訪問体験のご予約をお願いします。

 👉 横山竹材店(TEKENOKO)

インタビュー・写真提供:Anastasiya Bulkavets (ArigatoCreative.co/jp)

編集:京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕