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京和傘の老舗 日吉屋 工房訪問
2023/06/13
読者のみなさん
「京和傘」と呼ばれる日本の傘には、独特の魅力と気品を感じることができます。「京和傘」は何世紀にもわたって洗練されてきた伝統的な技法を使って手作りされてきました。日吉屋は160年以上もの間、ここ京都の象徴的な存在として、その卓越した技術を受け継ぎ、守り続けてこられました。
日本の伝統的な傘作りの美しさを目の当たりにできる日吉屋への訪問は、それぞれ皆さんを魅了させる時間になることに間違いありません。工房内を巡ることで、熟練した技術を持つ職人たちと触れ合い、「京和傘」ひとつひとつに込められた芸術性とそのひたむきさに、深い感動を覚えずにはいられないことでしょう。
日吉屋に一歩足を踏み入れると、美しい傘の数々がお出迎えしてくれます。同社は、番傘・蛇の目傘・野点傘などさまざまな「京和傘」を作り続けているほか、数百年前の技法を用いた現代的な照明器具の製造や、寺社や儀式で使われる伝統的な「傘」の復元事業にも携わっています。
伝統的な「京和傘」づくりの丁寧な工程は、竹・和紙・タピオカから作られる糊、防水のための亜麻仁(アマニ)油など、自然の原材料を厳選することから始まります。日吉屋の職人たちは、細部に至るまで細心の注意を払って傘を作り上げることに誇りを持って作業されています。その深い想いの結集として、単に機能的なオブジェというだけでなく、芸術色の色濃い「京和傘」が生み出されています。
今日、大量生産と使い捨ての時代にあって、伝統的な職人技を守ろうとする日吉屋の取り組みは本当に素晴らしく、頭の下がる思いがします。過去と現在をつなぐ架け橋となるこの店舗は、急速に変化する世界の中で、誇れる遺産を守ることの重要性を私たちに改めて思い起こさせてくれます。
工房訪問と「京和傘」について学びたいという方は、こちらから体験のご予約をお願いします: 日吉屋
文・写真提供: Anastasiya Bulkavets (ArigatoCreative.co)
編集・翻訳:京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕