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京和傘 日吉屋職人 小野寺克洋氏インタビュー
2023/06/27
1) あなたの経歴を少し教えてください。私生活ではどのようなことに影響されて今のお仕事を選択されたのでしょうか?
かつては昆布の販売から現在の日吉屋では、京都に根付いた商品を長く扱ってまいりました。
私生活でも行くところは、観光地よりは鴨川や御所など。食べ物もお漬物や昆布という風に、京都の目立たないところで流れている文化に特に魅力を感じています。今の仕事も京都に長く流れてきた文化を継承しようと選択しました。
2) 職業上のキャリア(旅路)で遭遇した最大の難関は何でしたか?
2022年に設立されたばかりの「京都アンプリチュード」という会社でも設立当初、「日吉屋」からの立場でメンバーに参加していました。京都の伝統の技をインテリアに活かして卸す商社だったのですが、当時は出来たばかりで、はじめてのことが多くあったこと。日吉屋だけではなく京都の様々な伝統を紹介する必要があり大変苦労しました。
3)自分の仕事のどんなところがお気に入りですか?
実際に和傘をつくっているところは数えるほどしかないため、寺社仏閣等の大傘の修理なども手掛けています。
一つとして同じ修理とはならないのですが、次につなげていく仕事として非常に面白く感じております。
4)あなたの一般的な1日の仕事の流れについて教えてください。
午前は連絡の確認、返信対応や会議に参加し一般庶務についても担当をしています。 午後になれば、ようやく
和傘の制作に取り掛かることができます。
5)あなたの創作活動のインスピレーションの源は何ですか?
モノにこだわるのではなく、技をどう現代のライフスタイルに合わせていけるか、需要あるものを察知することがインスピレーションの源です。「伝統は革新の連続」がわが社のモットーで、これを実践しています。
6)今後2、3年の計画や目標をお聞かせください。何か成し遂げたい目標をお持ちですか?
ミニ和傘体験やミニ古都里体験も行っていますので、体験を通じて一人でも多くの人に京都の伝統とその革新を感じていただけたら嬉しいです。
7)工芸品やデザインを愛する人たちにあなたの作品や製品を薦める理由を教えてください。人々の生活にどのようなプラスの影響を与えることができるのでしょうか?
日吉屋の照明、古都里等はデザイナーを入れて商品開発をしています。伝統に縛られず今のライフスタイルに合う形になっておりますので、現代の感性で素敵だと思えるものです。やわらかな光が、生活に温かみを醸し出すと信じております。また昔からの和傘も、竹と和紙のシンプルながらも良く考えられた構造となっております。
ぜひ一度お手に取って使ってみてください。
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翻訳・写真提供: Anastasiya Bulkavets (ArigatoCreative.co)
編集:京都伝統産業ミュージアム佐藤裕