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京都の東山で鑑賞する日本庭園の5つの分類とおすすめ庭園
2022/06/07
読者のみなさん.こんにちは。
京都伝統工芸品 ちょっとクイズ!?(5/24掲載)をご覧になられた方は、京都の「造園」が正式に伝統工芸のリストに入っていることは既にご存じだと思います。(掲載記事は次の機会にご覧になって下さい。)京都には何千もの庭園があり、そのすべてを訪れるには一生かかっても追いつかないほどの数ですが、まずは京都の東部(東山)にあるいくつかの庭園(しかも「京都伝統産業ミュージアム」から徒歩圏内か市バスですぐのところにある庭園)を訪れ、日本庭園の主要な分類・様式を探訪することから始めてみるのはいかがでしょうか。
日本庭園には様々な様式・分類があります。それではここで、最も一般的で標準的な分類でご紹介してみましょう。
1)池のある庭園
水辺で宴会を開いたり、小舟に乗ったりしていた昔の雅な風情を再現したもので、最も古い庭園の一つです。松の植栽された島や、亀や鶴と親和性のある島があり、橋で結ばれているのが一般的です。
東山でのおすすめ庭園:平安神宮(神苑)、南禅寺塔頭(天寿庵)
2)枯山水庭園
おそらく最もよく知られている庭のタイプで、現在ではしばしば禅の庭と呼ばれている。仏教の禅の教えとの関係が深く、水の代わりに白砂や小石を用い、瞑想の世界や精神的な旅を誘う象徴的な風景を醸し出しています。
東山でのおすすめ庭園:南禅寺塔頭(天寿庵)(方丈)、建仁寺など
3)茶室のある庭
中国から仏教僧によって伝えられた日本の茶文化は、禅寺と強い結びつきがあります。茶会で使用される庭園には、水盤、灯籠、門、飛び石のある小道、そして素朴な茶室など、さまざまな工夫が凝らされています。
東山でのおすすめ庭園:建仁寺、高台寺
4)庭園で散策を楽しむ庭園(回遊式庭園)
池や水路の周囲を散策する事ができる庭園です。灯籠や石、石畳、茶室など、他にも庭園の様々な魅力を多く取り入れ、時には庭園外の風景(周囲の丘・山や遠くの建物など)を借景にすることもあり、とても遊び心に富んだ庭園です。
東山でのおすすめ庭園:銀閣寺、南禅寺塔頭(天寿庵)、無鄰菴
5)中庭として庭園
京都では寺院だけでなく、個人の邸宅やホテルなどにも非常に芸術的な中庭(坪庭)をたくさん訪ねる事が出来ます。時には僅か1平方メートルという小さな空間でさえ、無限のデザインの可能性が秘められた庭が表現されていることがあります。
東山でのおすすめ庭園:建仁寺
これで私のおすすめ庭園の完結です。 以下に次回の京都訪問の際のお勧め行程として、ぜひGoogleMapに保存してみてくださいね。
銀閣寺⇒南禅寺天寿庵⇒無鄰菴⇒平安神宮(神苑)⇒京都伝統産業ミュージアム⇒建仁寺
文・画像:Anastasiya Bulkavets (ArigatoCreative.co)
日本語翻訳:京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕