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京鹿の子絞 伝統工芸士 森本浩市氏インタビュー
2022/08/23
これまでの職歴などこれまでに至る歩みを教えてください。又、人生ではどのようなことに影響されて現在の道を選択されたのでしょうか?
私は、室町問屋街と称される高価な呉服製造の織屋が軒を並べ、多くの職人のつながりのある街で生まれ育ちました。小学生の頃より家業に親しみ、何の迷いもなく高校卒業と同時に現業に従事しました。
これまでのお仕事上の歩みの中で、最もご苦労されたことはどのような事でしたでしょうか?
23歳の時に父親が急逝し染色職人も病気療養中のため、 まだ修行中の身にとって、休日もほとんどなく無我夢中の日々を過ごしたこと。そして景気の上げ潮にも助けられ窮地を乗り切る事が出来ました。今では懐かしい思い出です。
ご自身のお仕事のどんなところに誇りをお持ちですか?
一分業で成り立っている業界に在って、図案草稿から下絵絞括外注を経て染色仕上げまで全ての加工に携わっているため、人一倍の製品への深い思いがあります。
仕事を創造的にされる中でインスピレーションの源(発想の原点)とはどのようなものでしょうか?
書籍・テレビでの映像展示会等の鑑賞およびデパートや専門店の市場視察、又人との様々の会話の中にもヒントは生まれます。
ここ数年の出来事(コロナパンデミック)は、お仕事や業界にどのような影響を及ぼしましたしょうか?
生活必需品でないこともあり需要の回復は進んでいません。 体験教室は修学旅行も含めて殆どがキャンセルされています。
今後2、3年の計画や目標について教えてください。実現されたいことを差し支えなければご教示ください。
工房での体験教室の充実と、体験者への土産品販売の制作にも力を入れたいと思っています。
伝統工芸品やデザインを愛する方に、ご自身の作品や製品をお勧めされる理由をお聞かせください。人の生活にどのような好影響を与えることができるとお考えでしょうか?
手作りの温もりを感じていただき、作り手に思いを馳せ、混沌とした世の中に一服の清涼剤となればと考えています。
染絞りにご興味をお持ちで、工房を訪ねて深く知りたいとお考えの読者はこちらからのご予約をお願いします。
インタビュー・写真提供:ブルカヴェツ・アナスタシア (ArigatoCreative.co/jp)
翻訳・編集 京都伝統産業ミュージアム :佐藤裕