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四代目 和蝋燭職人 田川広一氏インタビュー
2022/12/20
あなたの経歴についてお尋ねします。どのようなことに影響されて今のお仕事を選択されたのでしょうか?
結婚後に義理の父が病気になってしまい、妻の実家の家業でもある蝋燭つくりの手伝いに参加したことがきっかけとなりました。
仕事を積み重ねてこられた中で、遭遇された最大の難関とはどのようなものでしたか?
和蝋燭屋の職人として、キャリアの中での最大の難関はやはり、コロナによるパンデミックです。
ご自分の仕事のどんなところがお好きですか?
日本の伝統文化、伝統芸能のつなぎ手として、その一翼を担っているところです。
和蝋燭づくりの創作部分でのひらめきの源はどんなものでしょうか?
それらは日々の生活の中に有ります。特に和蝋燭のことや、灯りの文化があまりにも知られていませんので、そのような情況に遭遇するたびに、色々と考えを巡らせることから始まります。
ここ2、3年のコロナパンデミックは、あなたの仕事や業界にどのような影響を及ぼしましたか?
まともに影響を受けております。また現在もそれは続いています。法要が中止され、冠婚葬祭が中止または延期され、人の集まりが制限されることにより、蝋燭を使用する機会がことごとくなくなっています。
2023年に向けて、当ブログの読者にどんな願いや、励ましの言葉をかけていただけますか?
仕事が出来るありがたさをしみじみ感じること自体、とても良い機会をいただけたと思っています。
後ろは見る必要が無い状況なので、前を向いて頑張っています。皆さんも共に前に進んでいきましょう。
工芸品やデザインを愛する人たちにあなたの作品や製品をおすすめになる理由を教えてください。皆さんの生活にどのようなプラスの影響を与えることができるのでしょうか?
単純に日本人であるのに和蝋燭を知らない方が多すぎるので、是非一度、当社へお越しください。お寺の本堂の中や神殿の中には、江戸時代より前には洋ローソクは存在していませんでした。ところが、アニメなどに描かれているローソクが、そんな時代背景関係なく描かれてしまっていることに悲しさを感じます。
もう一度、本当の日本の伝統美に触れていただきたいと思います。掛け軸、日本画、舞妓さんのお顔、ふすま、金屏風、着物、漆器を改めて和蝋燭の灯りで照らしてみてください。その時代時代が観えてきます。まだ、ご覧になられたことがない方は、是非一度そのような時間で、日本の伝統美を体感してみてください。
工房訪問と和蝋燭についての体験のご予約はこちらからお願いします。 👉中村ローソク
インタビュー・写真提供:ブルカヴェツ・アナスタシア (ArigatoCreative.co/jp)
編集:京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕