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奏絲綴苑(そうしつづれえん)工房訪問
2023/04/18
読者のみなさん
京都は機織り技術の精巧さで有名ですが、すでに京都工房コンシェルジュ予約システムで予約可能な工房 [光峯錦織工房(日本伝統織物研究所)・織匠平居(おりしょうひらい)・渡文株式会社(織成舘)] をいくつか訪問しご紹介してきました。
さて今日は、西陣爪掻本綴織の工房「奏絲綴苑(そうしつづれえん)」をご紹介します。この複雑な技法は、爪の部分に溝をつけ「爪掻(つめがき)」、手と足だけで操作する手織り機「綴機(つづればた)」で織る複雑な技法です。この工程は時間を要しますが、美しくユニークな織物を作ることができ、爪で織る芸術品と言われています。
工房を訪問するとまずその魅力に引き込まれます。工房には、2人以上で同時に操作できる大型機を含む16台の織機があり、「爪掻(つめがき)」の歴史や技術を学ぶことができる貴重な機会となります。ここでは、図版や 写真などを立体的な織物に再現する織り手の作業を見ることができます。
ここでの染料糸の選び方はこれまでに見たことのないものです! まさしく色による表現はつづれ織の最大の特徴です。代表的なボカシ技法としては、隣り合う色を櫛(くし)状に交差させて微妙な色彩表現をしたり、下から上へ色を変えたり、色の濃度を変えたりしてグラデーションを表現します。
また工房では「爪掻(つめがき)」を体験できるワークショップも開催されています(次回の投稿記事でご紹介の予定です!)。ショップコーナーでは、お土産や大切な人への贈り物に最適な一点ものの商品(ランプ、ハンドバッグ、コースター、アクセサリーなど)を購入することも可能です。
工房訪問と「西陣爪掻本綴織(つめがきほんつづれおり)」について学びたいという方は、こちらから体験のご予約をお願いします:奏絲綴苑
文・写真提供: Anastasiya Bulkavets (ArigatoCreative.co)
翻訳・編集:京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕