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工房訪問 京友禅製造 彩琳株式会社(富宏染工)

2022/06/14

皆さん こんにちは。

今回は、京友禅の染め技法を専門とする着物メーカー、彩琳株式会社(富宏染工)の工房を訪ねます。着物は日本の伝統文化・工芸品の中でも確固たる地位をしめる強力なコンテンツの一つです。大量生産が可能でありながらも伝統的でリアルな手描き手法では無く、更に様々な機械的なプリント技術も使わずに、全て手作業で染めあげられる貴重な着物・京友禅は僅か10%に過ぎないようです。

彩琳株式会社(富宏染工)では現代の着物作りの現状を学ぶことができます。工房見学と伝統的な友禅染を体験できる1時間の体験、茶道で使われる袱紗に手描きをする2時間の制作体験までいくつかの選択肢が用意されています。

今回私たちは京都の着物文化に興味はあっても、いざ何から始めたらいいかわからないという方々。そんな方々にぴったりの短い時間ででも体感できるメニューを選択してみました。

簡単に会社の概要、理念、京都の友禅染業界における役割などの説明を受けた後に、実際の職人さんの仕事場に案内していただきました。ここでは京都の伝統産業である手描き京友禅は、職人さんの分業と連携によって高品質な製品が生み出されているプロセスがよく理解することができます。

私たちは、友禅の職人さんと同じように染料と筆を使って、帯状の絹のキャンバス上の下図柄に、慎重に手描き染め体験を挑戦してみました。染料が流れないように特殊な糊で図柄の輪郭は描かれています。

最後に京友禅染が使われたお土産物もいただきました。

この訪問を通じて体感できるのは、京都の友禅職人さんの技術力の高さです。また、皆さんの友禅職人さんへの尊敬の念も増々高まることと思います。

文・画像:Anastasiya Bulkavets (ArigatoCreative.co)

編集・翻訳:京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕