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金襴織の織屋 織匠平居 工房訪問
2022/07/12
読者の皆さま。
今日は、更にもう1件の西陣織の工房「織匠平居」さんをお訪ねします。会社の創業は明治初期にまでさかのぼり、第二次世界大戦後まで帯を専門に織る会社でした。更に終戦後には、ちょうど三代目の職人さんが法人顧客として「お寺さん」を窓口に絞ることを決意される事になります。以来、各派のお寺さんの袈裟用の豪華な金襴の織物を専門に生産をされている工房です。このように特定の市場に特化させるとはどのようなものなのでしょうか?
織匠平居さんは、他の多くの京都の伝統工芸品工房と同様に家族経営で運営されています。現在は5代目にあたる平居幹央さんが工房を切り盛りされています。そして今回は西陣織に興味のある方々に対して京都工房コンシェルジュの予約サービスと同じ内容で工房を訪問し、伝統的な織物技術について理解を深める機会として、我々の訪問をありがたく引き受けていただきました。
織匠平居さんは、絹織物を織るのに適した特殊な湿度条件のもとで操業が出来る、京都でも数少ない工房のひとつです。そのため床面は土間になっています。絹糸は織る前に染色され、50~60年前の織機で手織りされており、工房内にある色とりどりの絹糸が並ぶコーナーはまさに注目の映えスポットです。
袈裟の手織り錦は、絹糸に、金糸が巧みに織り込まれているのその特徴です。この伝統的な技法は平居家に代々受け継がれてきたもので、宗派ごとに多くのお寺さんを中心に愛用されてきました。
来週は、平居幹央さんに伝統工芸士としての歩みと京都の織物産業の現状についてお話を伺いますので、次回もぜひお楽しみに!
更に工房訪問と金襴織物についてもっと深く知りたいと思われる方は、こちらから体験のご予約をお願いします。 ☞織匠平居 工房
文・写真提供:ブルカヴェツ・アナスタシア (ArigatoCreative.co)
日本語翻訳:京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕