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2023 人の心を照らし癒す。神仏へ奉げる灯

2023/01/03

読者の皆さん

新年あけましておめでとうございます。あなたの国ではお正月をどんな風にお過ごしでしょうか?

日本では多くの人は神社や寺院に新年の健康と幸福を願って初詣に出かけます。

さて、

 今現在記事で特集、ご紹介している「和蝋燭」は新年の年末年始で神社や寺院で執り行われる儀式にも多く使用されています。このように一般的に京都に住む人たちは昔から「灯り」を単に照明の道具としてだけでなく大切に扱ってきました。「和蝋燭」は今でも人々の健康や家内安全や世界平和、商売繁盛を祈願するときによく使われています。

和蝋燭」の原料は植物性でできており、製造工程は何世紀も前から変わっていません。機械で生産される西洋のろうそくとは違い、手間のかかる生産方法が今でも受け継がれています。「和蝋燭」の芯は紐ではなく、和紙を巻きその周りに藺草(イ草)が巻きつけてあります。紐のようにまっすぐではないので完全には燃えません。底から穴があいているため、炎が不規則に揺らいで、神秘的で幻想的な灯りとなります。

 参拝者は何世紀にもわたり、亡くなった魂を慰めるために火を灯してきました。神聖で、神秘的な雰囲気を求めて、毎年多くの人が神社やお寺に参拝します。ライトアップイベントのように、ただ暗闇を明るく照らし出す傾向にある現代においても、「和蝋燭」の薄明かりは人々を魅了し、癒し続けています。

 2023年。新しい年の世界の平和とCOVID-19パンデミックの終息を祈ります。

 文、編集:京都伝統産業ミュージアム 佐藤裕

 データ提供:有限会社中村ローソク、ブルカヴェツ・アナスタシア (ArigatoCreative.co/jp)